三浦 展 「シンプル族の反乱」

こんにちは.KGです.

久しぶりに本を読みました.

三浦 展 『シンプル族の反乱』 KKベストセラーズ.


本書では,物を買わない消費者シンプル族について詳しく述べている.
・自動車は買わないが,自転車は買う
・ブランド品は買わないが,無印良品やユニクロは好んで買う
・インターネットで情報を集めよく吟味する
・ナチュラル志向
・古着やレトロな雑貨を好む
など,実際にシンプル族のインタビューや様々なデータをもとに,シンプル族の特徴をまとめている.
このシンプル族を満足させるような商品作りができないと,企業は生き残れないのだという.



著者は,シンプル族という現代社会を象徴するかのようなキャラクターを設定し,シンプル族の価値観やライフスタイルについて述べているのだが...
・自動車いりません.
・ブランド品いりません.
・東急ハンズで6000円のゴミ箱買いました.
・8000円のお箸使ってます.オシャレだからね.
・骨董品好きです.これ1万3000円です.
・8万円しても納得する机が欲しいです.
・ゴミになるものは要りません.エコじゃないから.
うーん,少々あざとい.


お菓子を買っている小学生に向かって,
駄菓子は買うくせに,車は買わないの?
と言っている様なもんだ.


結局,その利便性快適性相当額の代金を払えるかどうかではないか.
生活するだけでギリギリならば購入には踏み切らないだろうし,お金に余裕があり快適性が欲しい人は購買意欲を示すだろう.
それとも,高度経済成長を支えたバブリー族はお金が無いのにモノを買う,頭の悪い人種なのだろうか?


確かに,近い将来,大金が入ってくるとわかっていれば,クルマでも家でも欲しいモノは何でも買いたいものである.
しかし,経済不況の昨今,明るい未来に期待する労働者は少ないのかもしれない.
ましてや,年功序列の日本企業で,目の前の上司の給料が将来の自分の給料だという現実を見続ければ,そういった夢を見なくなるのかもしれない.
こう考える自分は著者から言わせればシンプル族なのだろうか.


とはいえ,「浴衣を着たことがある84%」というアンケート結果で,シンプル族には日本志向的なところがあると言われても,納得できないものがある.
全体を通して,データの取り方と使い方は上手いとは言えない気がする.


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